GitHubリポジトリ管理:権限とロールの完全ガイド
GitHub Organizationでのリポジトリ管理における権限とロールの違いを詳しく解説します。Write、Maintainer、Adminの権限差を理解し、適切な権限管理を行いましょう。
GitHubリポジトリ管理:権限とロールの完全ガイド
GitHub Organizationでチーム開発を行う際、適切な権限管理は不可欠です。この記事では、GitHubのリポジトリにおける権限の違いと、それぞれのロールが持つ権限を詳しく解説します。
はじめに
GitHub Organizationでリポジトリを管理する際、メンバーに適切な権限を付与することはセキュリティと効率的な開発の両立において重要です。しかし、Write、Maintainer、Adminの各ロールの違いを理解していないと、権限を与えすぎてしまったり、逆に必要な権限が不足してしまったりする可能性があります。
リポジトリのロール一覧
GitHub Organizationでは、以下のようなロール階層が存在します:
- Read(読み取り): コードの閲覧のみ
- Write(書き込み): コードのプッシュとマージが可能
- Maintainer(保守): リポジトリ設定の一部を変更可能
- Admin(管理者): 完全なアクセス権限
WriteとMaintainerの権限の違い
Write権限ができないが、Maintainer権限でできること
| リポジトリアクション | Write | Maintainer |
|---|---|---|
| リポジトリの説明の編集 | ✗ | ✓ |
| トピックの管理 | ✗ | ✓ |
| Wiki の有効化および Wiki 編集者の制限 | ✗ | ✓ |
| pull request のマージの構成 | ✗ | ✓ |
| GitHub Pages の公開ソースを構成する | ✗ | ✓ |
| GitHub Copilot のコンテンツ除外設定を表示する | ✗ | ✓ |
| 保護されたブランチへのプッシュ | ✗ | ✓ |
| リポジトリ ソーシャル カードの作成と編集 | ✗ | ✓ |
| リポジトリでのインタラクションを制限する | ✗ | ✓ |
| リポジトリの GitHub Discussions の有効化 | ✗ | ✓ |
重要なポイント
- リポジトリ設定: Write権限ではリポジトリの説明や設定を変更できませんが、Maintainerは可能です
- GitHub Pages: 静的サイトの設定や公開設定の変更はMaintainer以上が必要です
- 保護されたブランチ: セキュリティ設定によっては、Maintainer権限が必要な場合があります
MaintainerとAdminの権限の違い
Maintainer権限ができないが、Admin権限でできること
| リポジトリアクション | Maintainer | Admin |
|---|---|---|
| 個人、チーム、外部のコラボレータによるリポジトリへのアクセスを管理する | ✗ | ✓ |
| パッケージの削除および復元 | ✗ | ✓ |
| ブランチ保護規則とリポジトリ ルールセットを管理する | ✗ | ✓ |
| 保護されたブランチでのプルリクエストのマージ(レビューの承認がなくても) | ✗ | ✓ |
| Issue を削除する | ✗ | ✓ |
| リポジトリをチームに追加する | ✗ | ✓ |
| 外部のコラボレータによるリポジトリへのアクセスを管理する | ✗ | ✓ |
| リポジトリの可視性の変更 | ✗ | ✓ |
| リポジトリをテンプレートにする | ✗ | ✓ |
| リポジトリ設定の変更 | ✗ | ✓ |
| Team およびコラボレータのリポジトリへのアクセス管理 | ✗ | ✓ |
| リポジトリのデフォルトブランチ編集 | ✗ | ✓ |
| Webhookおよびデプロイキーの管理 | ✗ | ✓ |
| リポジトリのフォーク ポリシーを管理する | ✗ | ✓ |
| リポジトリを Organization に委譲する | ✗ | ✓ |
| リポジトリを Organization から削除または委譲する | ✗ | ✓ |
| リポジトリのアーカイブ | ✗ | ✓ |
| スポンサーボタンを表示する | ✗ | ✓ |
| 外部リソースを参照する自動リンクの構成 | ✗ | ✓ |
| リポジトリのカスタム プロパティの値を編集する | ✗ | ✓ |
重要なポイント
- アクセス管理: チームメンバーやコラボレータの追加・削除はAdmin権限が必要です
- セキュリティ設定: ブランチ保護規則などのセキュリティ関連設定はAdminのみが変更可能です
- 削除とアーカイブ: リポジトリの削除やアーカイブはAdmin権限が必要です
- Webhook管理: CI/CDの設定にはAdmin権限が必要な場合があります
権限管理のベストプラクティス
1. 最小権限の原則
必要最小限の権限のみを付与しましょう。開発者には通常、Write権限で十分です。
2. セキュリティ設定の分離
- 一般開発者: Write権限
- リリース管理者: Maintainer権限(リポジトリ設定の変更が必要な場合)
- インフラ管理者: Admin権限(セキュリティ設定の変更が必要な場合)
3. ブランチ保護規則の活用
重要なブランチ(main、developなど)には保護規則を設定し、Maintainer以上のみがマージできるようにしましょう。
4. 定期的な権限レビュー
定期的にリポジトリへのアクセス権限をレビューし、不要な権限を取り消すことが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q: Write権限で保護されたブランチにマージできますか?
A: いいえ。保護されたブランチにマージするには、通常Maintainer以上の権限が必要です。ただし、ブランチ保護規則により例外が設けられている場合があります。
Q: Write権限でGitHub Pagesを設定できますか?
A: いいえ。GitHub Pagesの設定変更にはMaintainer以上の権限が必要です。
Q: Admin権限を持つべきメンバーは誰ですか?
A: Organizationの所有者と、リポジトリのセキュリティ設定やメンバー管理を行う管理者のみがAdmin権限を持つべきです。
まとめ
GitHub Organizationでの権限管理は、セキュリティと効率性のバランスを取ることが重要です。
- Write: 開発に必要な最小限の権限
- Maintainer: リポジトリ設定の一部を変更する必要がある場合
- Admin: セキュリティ設定やメンバー管理が必要な場合
適切な権限管理により、安全で効率的な開発環境を構築しましょう。